(金属製)笠木とは

建築物の、鉄筋コンクリート構造等に用いられる、屋根の防水対策として施工・設置するパラペット等は、日射の直射や日々や年々による温度変化、風雨などによる劣化や破損・漏水の対策が要求され、これらの不具合対策として建物を守る部材が笠木です。

劣化の発生で、ひび割れ部から雨水の侵入により、鉄部の腐食から膨張による爆裂が起こります。さらにこの部位は、防水層の端部が位置することから端部の仕舞を破壊し、雨水など水分の構造躯体への侵入により悪い影響を及ぼさないように保護するものです。

笠木は、塀、手摺、腰壁、パラペットなどの高欄の最頂部である架木(ほこぎ)と呼ばれる部材の総称とされることがあります。

笠木の由来

古くは神社の鳥居・門・板塀などの上縁に、横に渡す木で、冠木(かぶき)と言われました。
笠木と呼ばれたのは「笠(傘)」のように鳥居を雨から守る役割として、最上端に取り付けられたためと考えられています。笠木は建物などを雨から守る、重要な役割を担っているといえます。

笠木の材質

笠木に使用される材質には様々あり、以下のような素材が使用されます。

  • 木材
  • セメントモルタル
  • 鋼板(亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板)
  • ステンレス鋼板
  • アルミニウム合金

古い建物ではセメントモルタルの笠木を使うことも多くありましたが、石や木材も笠木の材料として使用されてきました。
一般的には、アルミニウム合金製やステンレス製の部材が既製品としてありますが、鋼板製は板金工事として扱われています。アルミニウム合金製はシーリングを使用しない乾式工法の嵌め合いによる施工方法、鋼板製は湿式工法(密閉式)でシーリングを使用しビス止めを主とします。

金属笠木のバリエーション

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鋼板製、湿式工法の弱点

  • シーリング材は劣化しやすく、継ぎ目や天端接点にひび割れや剥離が発生します。このひび割れや剥離の発生に部分から、笠木内部に雨水が溜まる危険性や、雨水が侵入し躯体を腐食させます。
  • 笠木内部を密閉させることで、空気の対流不足から、結露しやすい環境となり、金属が腐食する危険性があります。
  • 継ぎ目のシーリング部分から、外壁面が雨水で汚れます。
  • 鋼板製は、表面劣化や塗装の剥離、切り口部分のサビなどが発生し、鋼板の劣化が進みやすい。また、板厚の薄さから凹みが生じ、雨水が停滞し劣化しやすくなります。
  • 現場の板金工事により、製品や施工の精度が不均一となります。

乾式工法(オープンジョイント方式)の機能

  • 密閉形式をとらない乾式工法(オープン式)の金属笠木「パラカサ」は、防水された下地躯体に対し、その保護強化に優れた効果を発揮しますが、あくまでも当部位の防水のための補助材であることが役割です。
  • 乾式工法(オープン式)では、笠木本体と躯体の間には隙間があります。風(空気の流れ)はこの隙間を自由に通り抜け、入った水を外に逃がす役目を果たしています(躯体には必ず防水処理が必要となります。)。
  • 簡単に施工できるオープン形式の金属笠木をパラペットに取り付けることにより、様々なメリットが得られます。
乾式工法.png

引用:
組子(日本金属笠木工業会「金属笠木の機能と取付躯体防水標準マニュアル(雨水対策編)」

乾式工法(オープンジョイント方式)の特長

  • 様々な建物の躯体に対応
  • 意匠性向上
  • 本体嵌め合い方式で、躯体の動きや温度変化(結露の発生防止)に対応
  • ジョイント部の金具は、薄型断面形状を使用、侵入水に対して排水機構あり
  • 直射日光を遮り、防水材及び防水材端部処理のシール材の劣化を防ぐ

こんなところで使われている!
RIKENのアルミ笠木(パラカサ)

<学校>

曲線部や出入隅コーナーなどの役物対応が可能

<病院>

建物の構造に合わせたサイズの選択が可能です。

<物流施設>

棟上導体システムを使用すると、避雷針の保護範囲を大きくカバーでき、避雷針設備のコストダウンと工期の短縮をはかれます。

<その他:プール・オフィス・ゴミ処理場など>

意匠性を重視した笠木、化粧フラットタイプもご用意しております。

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