ルーバーの歴史 ~始まりは「格子」から~

ルーバーの歴史は、飛鳥時代に寺院建築が日本において建造され始めたころに、窓の意匠材、「格子」として使われ始めたものが始まりと推測されます。その後、江戸時代には細い敷地に連なった住宅が建てられることが増え、開口部に格子を使って外部からの採光、通気、防犯、プライバシーの確保などの対策として京町屋に広まっていきました。

この頃から、徐々に工具の発展から細かな細工を施すことができるようになり、木材を組み合わせるだけで作られた伝統技法の「組子(くみこ)」が普及し始めますが、現在は“障子”や“欄間(採光、通風、装飾といった目的のために 天井 と 鴨居 との間に設けられる開口部材)”に見られますが高度すぎる技術に時間がかかりすぎるという欠点があります。現在では、木材以外の格子も屋内外に広く使用されています。デザインも多様化され、屋外では経年劣化を考慮しアルミニウムを採用するケースが増加しています。

欄間
組子

京町家に見る格子の種類

京町家では格子(こうし)の形は構造、形態、職業(「お商売」)などによって分類されます。

糸屋格子

糸屋、紐屋、呉服屋など楯の桟を数本ごとに短くして光を入れ、反物や糸の色の違いが分かりやすくしたとされる。
畳上から梁までの高さを少し荒めの「親通し切子格子」の格子組が特長。

切子の数は職業を表していたようです。
・切子2本・・・呉服屋格子
・切子3本・・・糸屋格子
・切子4本・・・織屋格子

炭屋格子

炭や薪の店など
防火や炭の粉が散らないように格子の隙間が狭い色付きの板子格子(いたここうし)。

麩屋格子(出格子)

麩、湯葉、豆腐、蒟蒻など水を使う店
水が外に飛ばないように腰が板張り。

炭屋格子

炭や薪の店など
防火や炭の粉が散らないように格子の隙間が狭い色付きの板子格子(いたここうし)。

米屋格子

米屋
防犯のための頑丈な作り。
木地の平格子が多く、紅殻は糠ほこりがつくので塗っていない。

仕舞屋格子(出格子)

(しもたや)商売を止めた家
店の部分も住まいになっていて、出格子は小さめで隙間も狭く、種類も多い。格子の内側は、紙障子でプライバシーを守る。

堺戸格子

土間床の店先に多く見られる。

[撮影協力:京都文化博物館]

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