コラム

アルミニウムの特性

1. **軽量性**: アルミニウムは非常に軽量で、アルミニウムの比重は2.7。鉄(7.8)や銅(8.9)と比べると約3分の1です。この軽さが、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、コンテナなどの輸送分野で重宝される理由です。軽量化は、燃料効率の向上や運搬コストの削減に直結し、環境への影響も軽減します。その他、土木・建築、モバイル家電などでは、機械部品の効率向上や装置の重量増加を抑えたり、各種機械の高速回転部品やしゅう動部品の作動効率を高めたりと多様な分野で高機能化を実現しています。

2. **強度**: アルミニウムは比強度(単位重量当たりの強度)が大きいため、輸送機器や建築物などの構造材料として多く使用されています。純アルミニウムの引張強さはあまり大きくありませんが、マグネシウム、マンガン、銅、けい素、亜鉛などを添加して合金にしたり、圧延などの加工や、熱処理を施したりして、強度を高めることができます。最近では、リチウムを添加した低密度、高剛性の合金が開発され、航空機や大型構造物用の材料として注目されています。

3. **耐食性**: アルミニウムは空気中では、緻密で、安定な酸化皮膜を生成し、この皮膜が腐食を自然に防止します。アルミ合金は、耐食性・強度も兼ね備え、各種の用途に採用されておりますが、特に、建築、自動車、船舶、海洋開発などの分野で広く採用されています。

4. **無毒性**:人体や環境に無害であるため、医薬品の包装の他、ヨーグルトの蓋や、食品包装、飲料缶(アルミ缶)、お鍋など家庭用品などでも広く使用されています。気密性が高いため食品や医薬品の品質を守っています。


5. **非磁性**: アルミニウムは磁場に影響されない非磁性体であり、これによりパラボラアンテナ、船の磁気コンパス、などの計測機器や電子医療機器、メカトロニクス機器などに活かされています。さらにはリニアモーターカーや超電導関連機器にいたるまで、その用途が広がっています。

6. **導電性**: アルミニウムは導電体としてきわめて、経済的な金属です。電気伝導率は銅の60%ですが、比重が約3分の1であり、同じ重さの銅に比べて2倍もの電流を通すことができます。その特性から現在では高電圧の送電線の約99%に採用されています。その他にも、導体(板・管)などにも広く使用されており、エネルギー利用、エレクトロニクス分野での需要が大きく伸びており、最近では自動車のワイヤーハーネスにも使用され始めています。

7. **熱伝導性**: アルミニウムは熱を効率的に伝え、その後、急速に冷却します。アルミニウムの熱伝導率は鉄の約3倍で、冷暖房装置、エンジン部品、各種の熱交換器、ソーラーコレクター、また、飲料缶(アルミ缶)などにも採用されています。
また、高密度化する現代の電子機器で放熱の為のフィンやヒートシンクとしても使われています。その他にも、熱しやすく冷めやすいアルミニウムの性質を利用し、プラスチックやゴムの成形用金型などの新しい分野にもアルミニウムが使われ始めています。

8. **低温耐性**:
アルミニウムは鉄鋼などと違って極低温下でも脆くならず、靭性が大きいことから、
低温プラントやLNG:液化天然ガス(マイナス162℃)船のタンク材として使われている他、宇宙開発・バイオテクノロジー・極低温の超電導関連といった最先端分野でもこの特性が脚光を浴びています。

9.**光や熱の反射性: 磨かれたアルミニウムは光線(赤外線や紫外線含む)、電磁波、各種熱線をよく反射し、純度99.8%以上のアルミニウムになると放射エネルギーの90%以上を反射します。この特性を活かし、暖房器具や照明器具、宇宙服などでアルミニウムに鏡面加工を施しこの特性を高め利用されます。また、ポリゴンミラーをはじめとした光エレクトロニクス製品においても広く採用されています。

11.**鋳造のしやすさ: 低い融点が特長で、溶けた状態でも湯流れが良い為、薄肉や複雑な形状の鋳物を生産できます。自動車部品(ピストン・エンジンブロック・ホイール)や各種産業機械部品など、幅広い分野で使用されています。

12.**加工性の良さ: アルミニウムは塑性(そせい)加工が容易で、さまざまな形状を成形できます。薄い箔から複雑な押出形材までと極めて広い用途で使用されます。また、できあがった製品素材の成形加工や製品の表面などの精密加工も比較的容易です。また切削加工性にもすぐれ、金型などの工具類や機械部品に使われています。

13.**接合の容易さ: アルミニウムは溶接、ろう付け、リベット接合、接着など、多様な方法で容易に信頼性の高い継手が得られます。これらの接合技術は日々進化しており、最近では摩擦攪拌(まさつかくはん)溶接やレーザービーム溶接などの新技術が車両をはじめとする構造部材の接合に活用されています。

14.**優れた真空特性: アルミニウムを真空装置の材料に使用すると、ガス放出率が非常に小さく真空到達性能が他の材料に比べてとても優れているため、各種の高真空ポンプや配管、高真空半導体装置、理化学実験装置などに活用されています。

15.**再生しやすい: アルミニウムは再生が容易で、二次地金(再生地金)をつくるのに必要なエネルギーは、新地金の製造に比べてわずか3%で済むといわれています。高いリサイクル率を持ち、飲料缶などの回収・再資源化により、省資源・省エネルギーと地球環境保護に貢献しています。